Giggle Game 制作ブログ

お知らせや独り言などを書き残します

フリーゲーム「祝粉」製作の話

プレイヤーさんが読んでも全く楽しくない
製作者の裏話なので
ゲーム製作に興味のある方、
自分もゲーム作ってるぞ~という方以外は
読まないことをオススメします

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去る4/15、新作フリーゲーム「祝粉」を公開しました。

このゲームは、
水面下で計画中だった長編ゲームの
企画の中止がほぼ確定になり
「ああもうゲーム制作作業がしたい!!」
という衝動に駆られた作者が、

構想0日で製作に取り掛かり
3週間で製作、公開した作品です。

よって綿密な計画とは無縁で
ほとんど勢いと衝動に任せて作ったものです。

とはいえ、どうせ作るのならと
いくつか条件やコンセプトを考えてから
製作に取り組みました。


1.ワンマップゲームにする
2.製作期間は1週間目標(実際は3週間かかった)
3.完全スマホ対応のゲームにする
4.今まで避けてきた手法・苦手なことに挑戦する



まず「1.ワンマップゲームにする」

これは1週間で製作した自身の過去作
「体育倉庫と魔女」がそうだったのですが、
とにかく短期間製作を目標に掲げる場合は
削れることは極力削る、ということで
主人公達が移動する範囲を狭くしました。

オープニング・エンディングを除き
主人公達は一箇所に監禁されている
という設定で終始物語が進みます。


次に「2.製作期間は1週間目標」

これは「自分にとって息抜きのゲームだから」
という理由が大きいです

息抜き・ストレス発散の為に作ったものを
一般公開するなよ……
と思われるかもしれませんが、

そもそも自分がゲームを作っているのは
誰かに遊んで(プレイして)もらう為、なので
息抜きであっても公開せねば意味が無いのです。

製作の作業そのものももちろん好きで楽しいのですが、
そこで作り上げたもので誰かを楽しませたい
というのが自分の創作の心情なので
その点についてはご容赦下さい。


そして「3.完全スマホ対応のゲームにする」

過去にスマホ対応ゲームとして
「アリスの娘」という作品を出したのですが
「データが重くて読み込めない」
「ミニゲームの操作がやりづらい」
などのご意見を多数頂いたため、

今回は
「イラスト・音楽などのデータを出来る限り軽量化」
「ミニゲームなどの複雑な操作は一切無し、
 タップ操作に特化したシステムにする」

というのを目標に作業を行いました。

製作期間が長く掛かった一番の理由はこれでした…。
今までやったことがないことだったので
それを含めて1週間というのはさすがに無理がありました。


そして最後……

「4.今まで避けてきた手法・苦手なことに挑戦する」

この点で、本作は自分にとって
「実験作」のようなものになりました。

まず、苦手なこと1
「キャラクターから作り始める」


創作活動をしている方なら
恐らく必ず聴いた事があると思うのですが、
漫画でもゲームでも
物語の創作を行う場合は必ず
キャラクターから作りなさいと言われます

自分はとにかくこれが苦手でした。
まずは物語のあらすじを作り、
そこに存在する役割を
それぞれ人間として具体化していく
という手順でキャラクターを作るため、

キャラクターを作る→シナリオ作り
ということがどうしても出来ませんでした。

しかし、今回は製作期間を短期と決めたので
やれるだけやってみよう、と考え
主人公となるアイドルの少年3人のキャラクターを
シナリオの詳細よりも先に決定しました。

それが結果的に良い効果を生んだかどうか……
はプレイヤーさんの判断に委ねますが、
自分として感じたのは、
「自分にこの作り方は向いていない」ということでした。

まずキャラクターから作り始める欠点として、
「キャラクターに愛着が湧いてしまう」
ということがありました

いわゆるキャラゲーであればそれで良いと思うのですが
物語の展開でゲームを楽しんでもらいたいと考えている
自分にとっては、

「このキャラクターはこんなこと言わない」
「このキャラクターならこの場面でこうする」
などは「不自由な縛り」にしかならず、

物語における十分な役割を果たすだけの器が無いキャラクターを
先に生み出してしまった場合、
そのキャラクターに合わせてシナリオを調整することになり
結果的に、無理のある展開を作らざるを得なくなりました。

シナリオ先行で作っている場合、
「この場面でこのキャラクターはこうは言わないな」
と思った場合、キャラクターそのものの性質を見直し
物語に整合性が生まれるよう調整できるのですが、

キャラクターを先に作り愛着をもってしまうと
「一度命を与えた人物の性格を、
 物語の都合で無理やり変えるなんて…」
という感覚になってしまい、出来なくなってしまったのです。

結果、物語の結末は正直
自分としても納得いったものにはなっていません。
が、「キャラクターたちの性格や関係性を見せる」
という方向では間違いなかったと、自分では思っています。

……と、まるでキャラクター作りを
先にすると物語が作れなくなるかのような書き方をしましたが
これはあくまでじぶんがそうだったというだけで
一般的にはキャラクターを先に作るのが正しいわけで、

要するに自分は「物語を生み出すキャラクター作り」が出来ず
「物語を生み出さないキャラクター作り」をしてしまった

というだけの話だと思います。

しかし、やはり自分は主人公の3人が
とても気に入ってしまっているので、
キャラクターから作り始めるというのはかなりの高等技術で
自分には難しい、危険な取り組み方なのだと感じました。

次回作からは、また
物語先行で製作を行おうと思っています。


次に、苦手なこと2

「意図的にプレイヤーに不快感を与える」

ホラーゲームを作ってるのに何を言ってるの?
と思われるかもしれませんが、
自分の中で「ホラー表現による不快感」と
「ゲームだからこそ感じる不快感」は
全く別物だと考えており、
自分が苦手だと思っているのは後者です。

具体的に言うと、たとえば
「プレイヤーの操作で、主人公と親しいキャラクターを死なせる(殺す)」
「プレイヤーの操作で、主人公を死なせる(自殺させる)」
「主人公がそもそも悪人・残虐行為を行う人物で
 プレイヤーがそれを実行する立場にある」……など。

これらは「プレイヤーが主人公を通して物語を見る
“ゲームだからこそ感じる不快感”」だと
自分は考えており、これまで製作してきたゲームでも
このような演出は極力含まないよう気をつけてきました。

が、つい最近
このような演出を含むゲームに対して
不快感を覚えるプレイヤーさんが少ない

ということを知る機会がありまして。

近年、ホラージャンル外
(一般的に人気のあるゲームや漫画のジャンル)でも
何の罪も無い(殺されるほどの事はしていない)人が
バタバタ殺されていくような作品が
珍しくないことには気付いていたのですが、

それならば、一度そういうゲームも
経験として作って見てもいいかもしれない。
製作1週間だけなら万一自分が不愉快な気持ちになっても
投げ出さずにやり遂げられるだろう――と考え、

本作では、そのような演出を
特に意識して入れました。

その最たる要素が
「犯人だと思う人物の名前をプレイヤーに入力させること」です。

実際にプレイして頂くと分かるのですが、
最初に候補に挙げられる人物は全員無実で
「プレイヤーが、何の罪も無い人物を犯人として
名前を挙げなければゲームが進まない」
というシステム
になっています。

しかも、犯人候補の大半は
主人公達を思いやる何の罪も無い善人で
「疑ってごめん」と、心優しいプレイヤーさんなら
罪悪感を覚えてしまう
ような展開になっています。

ただ物語を俯瞰に読む漫画や小説と違い
プレイヤーが実際に「自分で選ぶ」
「自分の手で名前を入力する」という行為で
「無実の人間を疑う」という疑似体験

ゲームの中に作り出したわけです。

……それが効果的な演出であるかどうかはさておき、
実際に罪悪感を覚えたという感想を頂いているので
狙いとしては、うまくできたといえると思います。

ゲーム後半で、それまで一切出てこなかった真犯人が
突然回想で現われることにしても、

本作はあくまで「ホラーゲーム」で、
「真犯人は無関係の人間だったのに
 身近な人物を疑ってしまう」
という
主人公たちの心理状態をプレイを通して疑似体験し
疑心暗鬼の緊張感を感じてもらう
つもりで
作ったものでした。

……実際に、すでに
「推理が無駄だった」というレビューが
立て続けに来ているのですが
「そういうゲームではないんです…」としか
作者としては言えません。ごめんなさい。
(ゲームの紹介やカテゴリにも
 推理ゲーム等の文言は一切入れていません)

また、本作では
自分が苦手な演出である「上げておいて落とす」
というものを、意識的に組み込みました。

無駄に明るいオープニング→上げる
監禁・脅迫状発見→下げる
メンバーが一致団結→上げる
第一の被害者発見→下げる
メンバーがケンカするが和解→上げる
和解したメンバーが負傷→下げる


……という具合に、
プレイヤーさんの感情が短いスパンで上下するよう
意識して製作をしました。

意図的に上げておいて下げる、というのは
個人的にあまり好きではなく……
(期待させておいてがっかりさせる、
 という感覚に似ているのでどうしても好きになれない)、

出来れば物語のクライマックスや
どうしてもその必要がある重要なシーンでのみ
使いたいものなのですが、

苦手苦手といって避けてばかりでは
いつまで経っても何故それが好まれるのか分からないし、
一度こういった手法を用いてみるのも勉強になるだろう
と思い、挑戦してみたものでした。

今回はシナリオの推敲もなく
行き当たりばったりで作ってしまったため
そこまで効果的には使えなかったかもしれませんが
「上げておいて下げる」ことで
プレイヤーさんの感情の触れ幅が大きくなり
普通に下げるよりも大きく下がったように
錯覚させることが出来る、

ということを感じました

ただ、実際にやってみて、やはり好きな手法とは
自分としては思えなかったので
今後は本当に必然性のあるシーン以外では
極力使いたくないな……と思ったのが自分の感想です。

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と、公開4日目にして
色々と思うことがあり書いてしまいましたが
読んでいて楽しい内容ではないと思うので
多分そのうち非公開にします……

しかしながら
短期間製作だからといって
いい加減な気持で作ったのだろうと思われてしまうのは
あまりにも悲しいので、

作者としてはこういう意図があって作りました
ということを一度明確にしておきたかった
というか、自分でどこかに一度書き出しておきたかった
というのが本音です。

そしてあわよくば、
ああそういう実験的な製作することもあるよね
と頷いてくれる作者さんがいたらいいな、と。

そんな気持ちで、このブログを書きました。


内部事情をずいぶん暴露(?)してしまいましたが、
少なくとも自分はこのゲームを面白いと思って公開しましたし、
キャラクターや作品への愛情も
いつもと変わらないくらい持っているつもりです。
かけた時間はまだ短いけれど。


また、本作は構想0日と書きましたが
私のニコニコ生放送に来てくれている
リスナーさんのお名前をお借りして
リスナーさんたちと一緒に
主人公達の設定や外見イメージを作りました。

それだけに、尚更愛着が湧いてしまった
というのもあったと思います。
だからこそ、過去作に比べれば
完成度は低いかもしれないけれど
思い入れはすごく強いです。



……うだうだと色々書きましたが、
もし「祝粉」まだプレイしてないよ!
という方は一度プレイしてみてね!

一度というか全END回収まで
1時間くらいしかかからない短編なので
是非最後まで……!!!

https://www.freem.ne.jp/win/game/17454
ダウンロード(Win/Mac)版、
スマホ対応のブラウザ版、両方あります!

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特にオチもありませんが、
このあたりで。

アツマールで公開を始めたけど
コメントは見ないぞ、と心に決めている
チキンハートでした。


ジグル
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